早起きして金星食を見よう! <その2>byあっちゃん先生こと久保庭敦男氏

こんにちは、みなさん。              おもしろ!ふしぎ?実験隊です。

8月14日の明け方「金星食」があります。

特別な道具がなくても観察できる、ものすご~~く!きれいな現象です。KUBOさんも、とっても楽しみにしています。

今回は、その観察方法など盛りだくさんな情報を、前回に引き続き、あっちゃん先生こと久保庭敦男さんから、お知らせが来ましたので、ご紹介しますね。

写真はクリックすると大きくなります。太字は、KUBOさんが入れました。

<その1>はこちら
http://tsukuba-ibk.com/omosiro/2012/08/post-192.html

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早起きして金星食を見よう! <その2>

8月14日早朝の金星食が迫ってきました。今回はその見え方やくわしい時刻のお話をしましょう。ここではKUBOさんやあっちゃん先生が活動している茨城県南部にしぼって時刻などを書きます。もし他の地域でご覧になる方は、この記事の最後のリンクを参考にご自分の地域での時刻や見え方を調べてください。

約23年前の金星食は夕方に見えました。また、昼間の空も入れると約9年前の昼過ぎにも金星食がありました。今回は夜明け前の時間に起こります。と言っても夏の夜明けはとても早いから、金星食になる時刻だってとっても早いんです。がんばって起きてくださいね!

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月と金星は1時30分ごろ立て続けに東の地平に昇ってきます。月齢は26。ちょうど夕空の三日月を左右にひっくり返したような姿に見えるでしょう。かくれる時刻が近づくと共に、月と金星がゆっくり近くなってゆくのが分かります。もちろんこれは「見かけ」の話。実際の天体は前後に大きく離れています。

今回は金星が月にかくれる瞬間(2時45分ごろ)と、再び出てくる瞬間(3時30分ごろ)の両方が見られます。

ところで金星は星座の星と違い、小さいけれど望遠鏡で大きさが分かる天体です。星座の星が月にかくされる「星食」の場合は一瞬で姿を消すのですが、金星の場合は1分ほどかかってだんだんと暗くなります。この1分間がとても面白いので、見のがさないようにしてください。望遠鏡などを使わなくてもばっちり見えますが、もし観察道具(簡単な双眼鏡や望遠鏡)をお持ちなら、しっかりと三脚に固定して低倍率で観察するとすばらしい景色を楽しめるでしょう。

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さあ、今度は「出現」のほうも見てみましょう。月にかくされた金星はしばらく見えませんが、消えてから約45分ほどたった3時30分ごろ、月の暗いほうに光の点が見えてきます。1分ほどかけてその光がどんどん強くなり、金星が再びすっかり姿を現すのです。これは月の暗い側で起こるので、急に光り出すその様子がまた感動を呼びそうですね

ここで注意点が三つあります

★金星食は日食のように何時間も続く天体ショーではなく、ほんの1分程度の短いショーです。「2:45から3:30の間ならいつでも見られる」というのは間違いですから気をつけてください。

★同じ県内(例えば茨城県内)でも、場所によって数分程度の時間のずれがあります。できるだけ余裕を持って準備して、待ち構えてくださいね。

★特に、かくすときの月の高さはかなり低いです。東の方向が開けた安全な場所で観察してください。太平洋側の海岸などは最高の条件です。

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金星食の様子は、携帯のカメラではちょっと撮影が難しいけれど、コンパクトデジカメなら夜景モードなどを利用して撮影できると思います。コツは「しっかりと三脚に固定する」「セルフタイマーを使う」「フラッシュは光らせない」です。ぜひやってみてくださいね。もちろん、絵に描いてみるのも楽しいですよ!

ちょうど出現の頃から東の空が明るくなり始めます。夜明けをバックに、まるで月からこぼれ落ちた光のしずくのような金星をぜひ楽しんでください。

なお沖縄県のほぼ全域で、下図のようにちょうど金星が月の縁をかすめる「接食」となります。月の縁には高い山があったり低い谷があるので、金星が明るくなったり暗くなったり、時々消えたり、という面白い光景になるかも知れません。ただし月の出と同時、地平線ギリギリでの現象になってしまうので、もし沖縄旅行中に金星食を見るよ、というみなさんは東側の海岸に行くといいでしょう。

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今回の金星食のように、月が惑星や恒星をかくす「食」を起こすことはあまり多くありません。それが昼間ではなく、暗く見やすい夜空で見られるチャンスはさらに少ないです

でも、月が明るい星を従えているような「接近」は1年に何度もあります。お相手の星は様々だし、並び方もいろいろ。いっぺんに三つの天体が集まるときもありますね。いくつか写真をお見せしましょう。

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金星食ばかり注目していますが、<その1>に書いた通り11日から13日にかけて連続してすばるや木星に大接近するので、そちらにも注目です。毎日早起きできるなら、月や惑星の動き方がたちどころに分かっちゃうかも知れませんね!そうそう、12日前後は「ペルセウス座流星群」がたくさん飛ぶ日でもあります。金星がかくれている間は流れ星探しをするのも楽しいですよ。

晴れるかな?晴れると良いですね。ぜひゴールドイヤー最後の金メダルもゲットしましょう

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最後にもう一度、<その1>の最初にご紹介した写真を見てください。ここに、実は空の条件がとても良いときにしか見えない淡い光が写っています。(見やすくなるよう少し画像処理しています。)

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夜明けや地上の光に混じって、緑の線で囲んだ辺り、ちょうど金星から木星あたりの空がうっすら光っています。ここに天の川はありませんから、銀河の光とは違います。これは「黄道光」(こうどうこう)と呼ばれる光。私たちの太陽系ができたころ、惑星になれなかった小さな塵(ちり)がたくさん残りました。それが今も黄道に沿って太陽の周りを回っていて、淡い淡い光の帯になって見えるのです。確かに、金星や木星を包む黄道の場所にありますし、おうし座やふたご座(星占いの星座=黄道の星座ですね!)も包まれています。

日本で黄道光が見える地域は、近年本当に少なくなりました。みなさんのところではいかがですか?早起きついでに確かめてみましょう。

朝早く起きて静かに星空を眺めると、今回のような金星食はもちろん、惑星の並び、黄道、星々との位置関係、月の満ち欠け、夜明けの空の変化、日本の空が「元気」かどうか・・・そういったことがすごく分かる気がします。教科書や図鑑だけでは分からない、目の前に広がる太陽系の奥行き、宇宙の深さが心の中にすうっと入ってくるのです

ぜひそれを、多くのみなさんに体験してほしいと願っています。

(おしまい)

[参考]
日本全国での金星食の時刻は、下記の国立天文台の「惑星食各地予報」のページで計算してみましょう。お近くの市町村名を検索し、反映ボタンを押してから計算してくださいね。

http://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/occulx_p.cgi

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今日の話題も、盛りだくさんでしたね。夏休みの自由研究にもなりそうです。

ぜひ、楽しんでみてくださいね。

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