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「フリクション・インキ」のひみつ

手作り実験工作室の中の『「フリクション・インキ」のひみつ』の原稿を公開いたします。
フリクションペンを1本購入するとできる実験なので、楽しんでみてください。
ネットでも、フリクションペンの実験は多く公開されていますが、下記のキーワードも入れながら、解説しております。


フリクション(摩擦熱)、サーモクロミズム、透明と白



■ こすると、書いたものが消えるペン
 ペンで書いたものを付属の「ラバー」でこすると、消すことができるペン。
 最近は、いくつかの会社で商品化されているようですが、さきがけはパイロット社の製品です。

こすると消える「蛍光ペン」(パイロット)

 「こする」ということは…たとえば、手のひらを合わせて、ゴシゴシすり合わせてみてください。

手をすり合わせると…?
 どうですか、手のひらが熱くなってきますね。
 これは、「こする=摩擦熱を起こす」ということです。
 つまり、「フリクション・ペン」は、「温度変化」で色が変わる「インキ」が使われているのです。
※ちなみに、商品とつづりは違いますが、「フリクション」とは、日本語で「摩擦」を意味します。
 パイロット社のサイトには、「フリクション・インキは65度以上で消色し…」と書いてあります。
 ということは、ラバーでこするだけでなく、“65度以上にすれば消える”ということでしょうか。
 そして、熱くすると消えるのなら、冷たくすると書いたものが出てくるのでしょうか。

 ラボしてみましょう。


undefined「フリクション・ペン」に、いろいろな「熱」を加えてみよう



 まずは、オーソドックスに、「熱を加える方法」を試してみましょう。
【用意するもの】
・フリクションペン
・紙コップ
・ドライヤー
・ライター
・アイロン


[1] 紙コップの外側に「フリクション・ペン」で絵を描き、「熱湯」(65℃以上)をそそぐ。
→あっという間に絵が消えます。

[2] 紙に「フリクション・ペン」で絵を描き、「ドライヤーの熱風」を当てる。
→絵が消えます。

ドライヤーの熱風で、描いた絵が消える

[3] 紙に「フリクション・ペン」で絵を描き、「ライターの火」で焦がさないくらいにあぶる。
→みるみる消えてしまいます。

[4] 紙に「フリクション・ペン」で絵を描き、「アイロン」をかける
→あっという間に消えています。

[5] 紙に「フリクション・ペン」で絵を描き、「電子レンジ」に入れて加熱する
→これまた、消えてしまいます。
※このとき、電子レンジには「水の入ったコップ」を一緒に入れてください。



■ 本当に消えているの?
 紙コップに「フリクション・ペン」で書いた絵は、お湯を入れると一瞬で消えますが、よく見ると「白い跡」が残っています。
 蛍光の「フリクション・ペン」だったなと思い、「紫外線」(スパイ・ペン→p.43でも可)を当ててみました。

 蛍光の「インク」は、残っているようです。
 また、「黒い紙」に書いたものは、うっすら白く見えるようです。

黒い紙に書いたところ

『あれれ。消えたんじゃなくって、白くなってたの?』と思ったかもしれません。
 白い紙だから、まぎれて見えなくなっていたのでしょうか。


 もう少し、ラボしてみましょう。


undefined「黒い紙」に書いて消してみよう


【用意するもの】
・黒い紙(少しザラついたもの)
・普通のボールペン(対比実験として利用)
・いろいろなタイプのフリクションペン(1本でもOK)



[1] 黒い紙に、「普通のボールペン」と「いろいろなタイプのフリクション・ペン」で色
を塗り、塗った半分を普通にラバーで消して観察する。
※このとき、ペンで書いた跡が残ってはよくないので、あまり強く書かないよう気をつけましょう。
 消した部分は、画像の黒左のように少し白く残って見えます。
 「ラバー」と「紙」と「インク」がこすれたために消しカスが出て、それがペンで書いた跡に入り込み、白く見えているのかもしれないので、消しカスが出ない方法で消してみましょう。
 そうです、「アイロン」や「電子レンジ」で熱するのです。
[2] 同じように色を塗り、ごく低温(100℃以下)の「アイロン」や「電子レンジ」に入れて、熱を加える。
画像の黒右2つのように白くなりました。

        「ラバー」「アイロン」「電子レンジ」での結果の違い

 結果の写真から、「65度以上で消色し…」という説明にもかかわらず、白く残っているのが分かります。
 ただ、よく読んでみると「消色」とあります。
 「消色」とは、色が消えること。
 つまり、インクの「粒」の色が消えていて、「粒」自体は残っているのかもしれません。

 もう少し、理解を深めてみましょう。



■「透明」と「白」の違い
 唐突ですが、「水」は何色でしょうか?
 水は、限りなく「透明」です。
 では同じ水でできている雪は…、「白く」感じますね。

 自ら光を出していないモノは、他からの光を「反射」したり、「屈折」したりすることによって、人間の目に見えるようになります。
 「水」は、ほとんどの光を「透過」するので、人間には「透明」に見えます。
 「雪」については、結晶の1つ1つは透明ですが、その結晶が集まると、光が表面でいろいろな方向に反射するため、人間には「白く」見えるのです。
(この原理は、透明なガラスが割れて粉々になると、白く見えるのと一緒です)。
 他の例としては、「曇りガラス」が挙げられます。
 「曇りガラス」は、表面の凸凹で光がいろいろな方向に反射されるために曇って見えますが、水をかけて表面の凸凹をなくすと、透明になり向こう側が見えるようになります。

 「黒い紙」に「フリクション・ペン」で書いたものを消すと、白く残って感じたのは、透明になったインクの「粒」の表面で、反射が起こっていたのかもしれません。
※「フリクション・ペン」を使う場面を考えると、「白い紙」に書くことがほとんどで、商品開発を考える上では、この「消色」する状態で充分なのかもしれません。
 それぞれの商品には、メーカー独自の工夫などがあるので、本誌で深く説明することはしま
せんが、パイロット社のサイトには開発当時からの苦労が書いてあるようです。
 興味がある方は、参照してください。
http://www.pilot.co.jp/promotion/library/006/index.html



■ 消えた「絵」を復活させる
 熱くすると消えるということは、冷たくすると描いたものが出てくる(復色)のでしょうか。
 また、冷たくするにはどんな方法があるでしょうか。

 思いつく方法で、ラボしてみましょう。


undefinedいろいろな方法で、冷やしてみよう



【用意するもの】
・割りばし
・氷
・塩
・冷却スプレー



[1] 絵が消えた紙コップに、「水」(常温)を入れる。
→絵は見えてきません。

[2] 常温の水に「氷」を入れて、割りばしで混ぜてみる。
→うっすらボンヤリと何か見えてきます。

[3] 水を少なめにして氷を足し、「食塩」をたっぷり入れて、かき混ぜる。
→完全復活とは言えませんが、かき混ぜていると絵が見えてきます。

[4] 絵が消えた紙に、「冷却スプレー」をかける。
→みるみる見えてきます。絵の表面には、「氷の粒」も見えます。
「冷凍庫」に入れて、「復色」させることもできます。

「冷却スプレー」には、「-40℃」になるものもある

■ フリクションインキは「サーモ・クロミズム」
 「氷水」は「0℃」ですが、「食塩」を入れるとおおよそ「-20℃」くらいまで温度が下がります(アイスクリーム作りの実験をやったことのある人にはお馴染みかもしれませんね)。
 パイロット社のサイトには、
現在のフリクションインキは「65℃」で色が消え、「-20℃」で復色するよう変色温度幅を「85度」に設定してあります
と書いてあります。
 「フリクション・ペン」のように、温度の変化によって物質の色が「可逆的」(変化が起きても、また元に戻れる)に変化する現象は、『サーモ・クロミズム』と呼ばれています。
 「サーモ・クロミズム」は、冷たいジュースをそそぐと色が変わるコップや、お風呂で遊ぶ子供のおもちゃなどにも使われています。
 また、実用的なところでは、「書き換え可能なポイントカード」「トナーの色が消せる複写機」などにも使われています。

       「サーモ・クロミズム」が利用されている製品

 以上のようなコップやおもちゃやポイントカードは、それぞれ使用時の「温度条件」が違うので、「変色温度」「温度幅」の設定も違ってくるはずです。
 たとえば、お風呂で遊ぶ「おもちゃ」が、冷たいジュースをそそぐと色が変わるコップと同じ「変化温度」設定だとしたら、子供が風邪をひいてしまうかもしれません。

参考サイト https://omoshiro.home.blog/2010/11/29/20101129/

“「フリクション・インキ」のひみつ” への2件の返信

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